風を掬う者(先行版)

人間の愚かさ、そして死をテーマにしたオリジナル小説

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弐章/英雄/挿話参拾弐/理解を超えた対立

様々な経緯を経て、結果的に、なのかもしれないが、
燿炎は露衣土に対する理解を深める事となった。
だから、燿炎は憎しみを抱いていたはずの露衣土に対して、
尊敬の念すら抱くようになってきていた。
そして、露衣土に対する尊敬の念があるからこそ、
燿炎もまた、真剣に平和へと向かわなければならない。
炮炎も真剣に平和へと向かった過程で、露衣土に
殺されたのであり、露衣土もそんな炮炎だからこそ、
真剣に炮炎を殺したのである。
そして、燿炎と露衣土は、
これから雌雄を決しようとしている。
お互いがお互いの信ずるものの為に、
相手を倒さなければならない。
その結果、恐らくはどちらかが死ぬ事になるであろう。
そして、どちらが死ぬ事になったとしても、
どちらも恨んだり、憎んだりするものではないのだ。
お互いが真剣に平和というものと向き合った結果、
相手を殺さなければならなくなっただけの事である。
二人は数瞬の間、目を合わせたまま微動だにしなかった。
そして、露衣土が先に燿炎に声を掛ける。
「久しぶりだな」
「そうだな。これだけの時間があれば、
お前も十分に覚悟が出来ただろう?」
燿炎は露衣土の声に応えると共にそう切り返した。
「私に一体、何の覚悟の必要があるんだ?」
露衣土も負けずに切り返した。
「まあ、いい。俺達の間に言葉はもう、不要だ」
「そうだな」
二人は再び、目を合わせたまま微動だにしなくなった。
下階では、城兵と討伐軍との激しい戦闘が続いている。
しかし、此処はまるで、
時が止まってしまったかのようである。
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  1. 2016/03/08(火) 05:55:24|
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