風を掬う者(先行版)

人間の愚かさ、そして死をテーマにしたオリジナル小説

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弐章/英雄/挿話弐拾陸/功を焦る司令官

氷の大陸、露衣土城。
露衣土はいつものように自室に篭って、
窓から外を眺めていた。
そこへ、一人の男が入って来た。
「失礼致します」
しかし、その男はいつもの報告係の男ではなかった。
「何用だ?崙土。司令官のお前が此処に来るとは」
露衣土は崙土に声を掛けた。
「燿炎達、反乱軍の一部が澪の谷へ迂回して、
直接こちらに向かっているようですが」
直ぐに崙土が応えた。
「判っておる」
露衣土は淡々としている。
「如何致しましょうか?」
崙土が露衣土の顔色を伺うかのように訊いた。
「放っておけばいい」
素っ気なく露衣土が応えた。
「と、申しますと!?」
「此処へ来るというのであれば、
迎えてやればいいという事だ」
「宜しいのですか?」
「構わん。燿炎には私が直接手を下せばいい」
露衣土がキッパリと言い切った。
「しかし、露衣土様の手を煩わせる事もありますまい」
露衣土は厳しい表情で黙していた。
続けて崙土が言う。
「私が澪の谷へ出向いて、燿炎達を片付けて来ましょう」
「好きにしろ」
露衣土は相変わらずに淡々としたままだ。
「では、早速に」
そう言って、崙土は露衣土の部屋を後にした。
再び、自室で一人になった露衣土は、
窓から外を眺め、厳しい表情で独り呟く。
「馬鹿め。何もそう、死に急ぐ事もないだろうに。
今の燿炎を倒せるとすれば、私しかおらん。
私が燿炎を倒す、或いは私が倒されるか、だ」
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  1. 2016/03/07(月) 09:23:14|
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