風を掬う者(先行版)

人間の愚かさ、そして死をテーマにしたオリジナル小説

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弐章/英雄/挿話拾伍/偶然の出会い、必然の導き

「燿炎、まだ判らないのか?」
「炮炎」
「露衣土のやらんとしている事が、
真の平和に繋がるものではない事を」
「んー」
「言いたい事は終わったようだな」
「止めろ!露衣土!」
燿炎は目を覚ました。
これまでに何度となく見ている夢であった。
そして、過去に現実として起こった事でもある。
すると、何処かからか笑い声が聞こえてきた。
周りを見渡すと麗羅と凍浬がこちらを見て笑っていた。
そして、麗羅が燿炎に言う。
「こんな状況になってまで、何も変わらないのね」
そして、再び麗羅は笑う。
そこへ、一人、年配の男がやって来る。
「やっと気がつかれましたか」
男が燿炎に声を掛けた。
燿炎はその人物が誰なのか判らず、訝しげに尋ねる。
「貴方は?」
「万象と申します」
万象は燿炎の問いにすぐ応えた。
すると、麗羅が口を挟んでくる。
「万象が私達を助けてくれたのよ」
「そうでしたか。それはどうもありがとうございました」
燿炎は万象に礼を述べた。
「いやいや、いいんじゃよ。
たまたま通り掛かったついでに助けたまでじゃ」
万象は謙遜するようにそう応えた。
そして、燿炎は思い起こすように言う。
「そういえば、俺達は、」
「そうよ。露衣土軍に襲われたみたい」
麗羅がすぐさま応える。
「そうだ。俺達は地割れに飲み込まれたんだ」
燿炎は思い出したように言った。
「ふふふ」
麗羅はそんな燿炎を見て微笑んだ。
「しかし、あのような状況で俺達を助ける事が
出来るなんて。それにあのような場所を通り掛かる事も
普通じゃ考えられない。貴方は一体?」
燿炎は再び万象に尋ねた。
「まぁ、気になさるな。それも定めじゃ」
万象は事も無げにそう応えた。
燿炎は納得がいかなかったが、命の恩人にこれ以上、
同じ事を尋ねるのは失礼だと思い、話題を変える。
「では、此処は何処でしょうか?」
「わしと仲間が暮らす村じゃよ」
万象はすぐに応えた。
燿炎は考えるように少し黙り込む。
すると、万象が燿炎達に声を掛ける。
「皆さん、気がつかれたようなので、こちらに来なさいな」
そう促されても燿炎はまだ考え込んでいる。
そして、独り言のように呟く。
「万象。何処かで聞いた名だな」
「そんな事いいから、早く行きましょう」
麗羅が燿炎を急かす。
燿炎は苦笑しながら、麗羅達と共に万象に着いて行く。
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  1. 2016/03/06(日) 04:56:25|
  2. 弐章/英雄
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