風を掬う者(先行版)

人間の愚かさ、そして死をテーマにしたオリジナル小説

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
  1. --/--/--(--) --:--:--|
  2. スポンサー広告

弐章/英雄/挿話漆/語り合う者達

「燿炎、まだ判らないのか?」
「炮炎」
「露衣土のやらんとしている事が、
真の平和に繋がるものではない事を」
「んー」
「言いたい事は終わったようだな」
「止めろ!露衣土!」
燿炎は目を覚ました。
これまでに何度となく見ている夢であった。
そして、過去に現実として起こった事でもある。
「どうしたの?」
燿炎が目を覚ました事に気付いた麗羅が声を掛けてきた。
「いや、何でもない」
「何でもない事はないだろう」
麗羅の向こうで寝ていた凍浬が口を挟んできた。
「うるせぇ!わざわざ起きてくんな!」
燿炎が凍浬に言った。
「うるせぇのは燿炎の方じゃねぇか!」
凍浬が言い返した。
「凍浬」
麗羅が凍浬を睨んだ。
「また、叫んでいたのか」
燿炎が独り言のように呟いた。
そして、続けざまに言う。
「なぁ、真の平和って何なんだろうな!?」
「そうね」
麗羅が相槌を打つ。
「少なくとも露衣土が居る限り、
平和なんてものは幻のままだろうな」
凍浬が言った。
「そうか?」
燿炎が凍浬に訊いた。
「そうさ」
凍浬が応えた。
「俺は露衣土を倒したところで、
真の平和が来るとは思えないんだよな」
燿炎が言った。
「どうしてそう思うの?」
麗羅が燿炎に訊いた。
「以前、露衣土と統一戦争を戦っていた時と、
今現在、反乱軍として戦っていて、
なんら変わりがないように思うんだ」
燿炎が答えた。
「戦っている最中はそうだろうな」
凍浬が言った。
「そうね、問題はその後どうするかでしょうね」
麗羅が言った。
「露衣土はその後に大きな過ちがあるのさ」
凍浬が言った。
「しかし、それでも、
同じ事の繰り返しなのではないだろうか」
燿炎が言った。
「だから、その後に同じ事を繰り返さないようにね」
麗羅が言った。
「じゃあ、訊くが、今も尚続く、
露衣土の力に依る制裁に疑問は感じないのか?」
凍浬が燿炎に訊いた。
「疑問を感じたからこそ私達のところへ来たんでしょう」
燿炎が答える前に麗羅が代わりに答えてしまう。
「もう少し早く気付いていれば、
炮炎を死なせずに済んだのかもな」
凍浬が嫌味ったらしく言った。
「それは言わない約束でしょう!」
麗羅が凍浬に怒った。
数瞬の沈黙が三人を包み込む。
燿炎、麗羅、凍浬以外の者達は寝たふりをしたまま、
三人のやり取りを聞いていた。
「確かに凍浬の言う通りかもしれないな。
炮炎を殺したのは俺なんだろうな」
沈黙を破り、燿炎が呟くように言った。
スポンサーサイト
  1. 2016/03/05(土) 06:26:51|
  2. 弐章/英雄
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0
<<弐章/英雄/挿話捌/灼熱の反逆者 | ホーム | 弐章/英雄/挿話陸/氷の皇帝>>

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバック URL
http://gushax2.blog.fc2.com/tb.php/37-92ad8eb7
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

プロフィール

菊千代

Author:菊千代
きくちよと申します。

最新記事

カテゴリ

詞/ことば (1)
序章/闇の中で (1)
壱章/人斬り (27)
間章/在 (1)
弐章/英雄 (35)
間章/無 (1)
参章/死望者 (4)
終章/光の彼方へ (1)
後書き (1)
お知らせ (1)

月別アーカイブ

最新コメント

検索フォーム

RSSリンクの表示

ご協力サイト様


リンク

このブログをリンクに追加する

ホームページ

Tails exit the Base

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード

QR

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。